5、調律師が伝える中古ピアノの見分け方

5、調律師が教える中古ピアノの見分け方

中古ピアノを買うときより細かなポイントまで知っておきたいと思われる方のために、

実際に中古ピアノの整備も担当している調律師の目線で中古ピアノの見極め方について、

そのポイントをわかりやすく説明します。

1.外装のチェックポイント

中古ピアノにおいてまず気になるのが見た目ですよね。外装のキズの有無や塗装の艶などを確認しましょう。

きちんとしたお店なら外装はバフをかけて表面の汚れを落とし、きれいに磨いているはずです。

中古ですので多少の小キズはあると思ってください。ただ、目立つキズがないか、あってもき

ちんと補修されて目立ちにくくなっているか、見る角度を変えてじっくり確認してみましょう。

この辺は写真では分からないので、お店で必ず実物を見ることをお勧めします。

特に鍵盤蓋の上にキズがつきやすいので、蓋を閉じて確認することをおすすめします。

 

調律師による外装整備の様子

< 調律師による外装整備の様子>

 

2.鍵盤のチェックポイント

鍵盤にがたつきがないか、横ブレがないか触って確認しましょう。

鍵盤木口(こぐち ※下記参照)が汚くないかなどもチェックしましょう。

木口が汚い場合は磨いて汚れをとるのですが、多くの場合は磨いただけではきれいにならないので、

木口だけ張り替えることも多いです。

鍵盤木口

3.音についてのチェックポイント

低音部で響きのない凡線(低音部の巻き線でおこる音の伸びがなくなった状態)
がないか、均一に鳴っているかなどをチェックしましょう。(凡線は弦交換が必要です)

ご自分で弾ける方は是非弾いてみて確認してください。弾けない方、または恥ずかしい方はお店の方に

弾いてもらうなりして確認しましょう。

中古ピアノは同じような年代、価格帯でも、かなり音が違っています。

自分にピタッと来る音のするピアノが見つかるといいですね。

4.ピアノアクションのチェックポイント

ピアノのフタを開けて、アクションをチェックしましょう。

すぐ見えるのはハンマーです。ハンマーの表面はフェルトでできています。

ハンマーに弦が当たるときにできる深い溝がそのまま残っていたら、ピアノの音が硬い金属音になってしまいます。

ピアノ本来のやわらかく、深みのある音を出すために、ファイリングと言ってハンマーの表面を紙やすりで削って

適度に整えます。

それが行われているハンマーは見た目もきれいなのですぐわかります。

ピアノアクションは約5500個の部品が使われています。一鍵につき60個

程度の部品点数になります。その中で経年劣化したものについては交換が必要です。

この辺はふたを開けて見ても素人には分かりにくいので、お店の方に確認しま

しょう。

調律師によるアクション調整

<調律師によるアクション調整の様子>

5.その他のチェックポイント

すぐチェックできるのが、ペダルがきれいに磨かれているかどうかです。

ピカピカになっていればOKです。そしてペダルを踏んだ時に雑音や異音がない

こと、それぞれのペダルが正常に機能するかどうかもチェックしましょう。

中古ピアノを選ぶ時の主なポイントをいろいろ書きました。それ以外にも私たちから見ればあるのですが、

店頭でチェックするのは難しいので省きます。

それより上記のポイントを確認しながら、接客してくれている店員さんの説明の明確さ、どんな質問にも

真摯に答えてくれるかどうかがやはり大切になります。

我々の店でも、中古ピアノの場合キズの補修がされている場所とか正直にお話ししております。

やはりいい中古ピアノとのめぐり逢いは、よいお店選びからとも言えます。

このサイトを見られて、少しでも良い中古ピアノに出逢えることができますように心からお祈り

しております。

 

また、我々は中古ピアノの整備もしておりますが、もちろんご家庭のピアノ調律も行っております。

しばらく調律をしていないピアノがございましたら、ぜひご用命ください。

調律の詳細、お問い合わせはこちらまで→ グランドミックの調律

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