5、調律師が伝える中古ピアノの見分け方
中古ピアノにおいてまず気になるのが見た目ですよね。外装のキズの有無や塗装の艶などを確認しましょう。
きちんとしたお店なら外装はバフをかけて表面の汚れを落とし、きれいに磨いているはずです。
中古ですので多少の小キズはあると思ってください。ただ、目立つキズがないか、あってもき
ちんと補修されて目立ちにくくなっているか、見る角度を変えてじっくり確認してみましょう。
この辺は写真では分からないので、お店で必ず実物を見ることをお勧めします。
特に鍵盤蓋の上にキズがつきやすいので、蓋を閉じて確認することをおすすめします。
< 調律師による外装整備の様子>
鍵盤にがたつきがないか、横ブレがないか触って確認しましょう。
鍵盤木口(こぐち ※下記参照)が汚くないかなどもチェックしましょう。
木口が汚い場合は磨いて汚れをとるのですが、多くの場合は磨いただけではきれいにならないので、
木口だけ張り替えることも多いです。
鍵盤木口
ピアノのフタを開けて、アクションをチェックしましょう。
すぐ見えるのはハンマーです。ハンマーの表面はフェルトでできています。
ハンマーに弦が当たるときにできる深い溝がそのまま残っていたら、ピアノの音が硬い金属音になってしまいます。
ピアノ本来のやわらかく、深みのある音を出すために、ファイリングと言ってハンマーの表面を紙やすりで削って
適度に整えます。
それが行われているハンマーは見た目もきれいなのですぐわかります。
ピアノアクションは約5500個の部品が使われています。一鍵につき60個
程度の部品点数になります。その中で経年劣化したものについては交換が必要です。
この辺はふたを開けて見ても素人には分かりにくいので、お店の方に確認しま
しょう。
<調律師によるアクション調整の様子>
中古ピアノを選ぶ時の主なポイントをいろいろ書きました。それ以外にも私たちから見ればあるのですが、
店頭でチェックするのは難しいので省きます。
それより上記のポイントを確認しながら、接客してくれている店員さんの説明の明確さ、どんな質問にも
真摯に答えてくれるかどうかがやはり大切になります。
我々の店でも、中古ピアノの場合キズの補修がされている場所とか正直にお話ししております。
やはりいい中古ピアノとのめぐり逢いは、よいお店選びからとも言えます。
このサイトを見られて、少しでも良い中古ピアノに出逢えることができますように心からお祈り
しております。
また、我々は中古ピアノの整備もしておりますが、もちろんご家庭のピアノ調律も行っております。
しばらく調律をしていないピアノがございましたら、ぜひご用命ください。
調律の詳細、お問い合わせはこちらまで→ グランドミックの調律